こんにちは。Naoです。

どのようにすれば、子どもを性別による役割を背負わせることなく、より彼ららしく育てられるのか。

ジェンダーレスな子育てについて考えてみたいと思います。

マララ・ユスフザイさんはどのように育ったのか

私が、父系社会で育ちながら、性別にとらわれることなく堂々と活躍している女性として真っ先に思い浮かぶのはマララ・ユスフザイさんです。

大変有名な方なのでご存知だとは思いますが、彼女は女性の教育を受ける権利を求める活動が評価され、2014年ノーベル平和賞を受賞しました。

そのマララさんが生まれ育ったパキスタンは、女性は学校に通うことが出来ない国でした。

女の子は多くの場合、10代で父親の決めた人と結婚し、そのあとは家庭の仕事と子育てに追われます。

強い父系社会である日本よりもはるかに女性の権利が認められていません。

ではそんな社会で育ちながら、どうして彼女はあれほどまで、勇敢で、知性にあふれ、自分の意志を貫き通す強さを持っていたのでしょうか。

その答えは彼女のお父さんの教育にあるようです。

 

マララさんのお父さんの言葉

マララさんのお父さんはジアウディン・ユスフザイさんといいます。

お父さんはパキスタンで私立の学校を運営していました。その学校はパキスタンで初めて女の子が通うことができる学校でした。

マララさんは、4歳からその学校に通っています。

ジアウディンさんはTEDにおいて「私の娘 マララ」というスピーチを行っています。

そのスピーチの中で

「女子生徒に教えたのは服従の教えを学ばないこと。男子生徒に教えたのは偽りの名誉の教え*1)を学ばないことです。」

私の娘 マララ ジアウディン・ユスフザイ

と話しています。

(*1 偽りの名誉とは・・・強い父系社会では女性が働くことは一家の恥である、という考えがあります。男が家族みんなを支える稼ぎを得ることを名誉と考えるのです。そのような名誉とは偽りの名誉だとジアウディンさんは話します。)

 

翼を切らない

そして、スピーチを次のような言葉で締めくくっておられます。

People ask me what is special about my mentorship which has made Malala so bold and so courageous and so vocal and poised? I tell them, don't ask me what I did.Ask me what I did not do. I did not clip her wings, and that's all.

マララをどう育てたのか人々は私に聞いてくる。「どうしたらあんなに勇敢で堂々とした子になるのか」と。私はこう答える。「私が何を“したか”ではなく、何を“しなかったか”なんです。私は娘の翼を切らなかった。それだけです。」

私の娘 マララ ジアウディン・ユスフザイ

翼を切らない。

服従を教えない。

心に留めておきたいことです。

 

もっと公平な社会を作ろうと思ったら

そして前回も紹介した本

「その問題、経済学で解決できます。」ウリ・ニーズィー/ジョン・A・リスト 著

の第3章の最後に「男女格差を埋めるためにやれることがある。」として経済学者である著者二人は次のような言葉を載せています。

一所懸命に子育てに力を入れていても、子どもたちが学校に行けば、男女格差は露骨に現れる。ぼくたちの研究によれば、男女差別はとても根が深く、とても幼い年代から始まっている。教育に携わる人たちも親御さんたちも、とても幼い子どもたちを性別のステレオタイプにはめ込まないよう、高い意識を持って注意を払い、手を打たないといけない。子ども、とくに女の子を、競争に加わるよう励ますのをためらってはいけない。(中略)競争での成績を決めるのは生物としての特性だけではなく、社会の影響もあるのを本当によく理解しておくべきだ。

「その問題、経済学で解決できます。」

ちなみに、この本の著者であるウリ・ニーズィーとジョン・A・リストの二人は現在アメリカに住んでいます。

女の子の教育が保障されているアメリカでも、男女差別はいまだに強いのです。

日本においては言わずもがな。ですね。

よりよい世界にしたい

これから子どもたちが育つ、活躍する社会は、今よりもいいものであるはずだし、そうあるべきだと思っています。

そのためにできることはたくさんあります。

いや、しない、ことでしょうか?

子どもたちの翼を切らない。

競争を嫌がらない。

なるべく社会の影響をなくす声掛け、行動をする。

 

そして、それらの大前提として、親自身が

男女差別の存在する父系社会に生きていること。

その社会はものすごい勢いで変わってきていること。

を認識している必要があるかもしれません。

これらのことを踏まえて、私は

まずは私たち夫婦が新しい夫婦像を子どもたちに見せ、

そして翼を切らないようにして子育てしていきたいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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